名古屋大学 大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻 / マイクロ・ナノシステム工学専攻

  航空宇宙機運動システム工学研究グループ / 航空宇宙マイクロ工学グループ

  Aerospace Vehicle Dynamics Research Group   /   Aerospace Micro-Nano Engineering Research Group  


CanSat開発

航空宇宙機運動システム工学研究グループ稲守研究室では研究だけでなく、実際に衛星開発を行うことで実践的な経験を積むことができます。
実際の衛星開発の前段階として、毎年B4~M1の学生を中心に模擬衛星であるCansatを製作しています。
開発したCansatは、アメリカネバタ州のブラックロック砂漠で行われるARLISSにて打ち上げ実験を行っています。


開発記




  • 2018 butterfly


  • 2017 castor

  • ARLISS2019

    複数の電磁石と永久磁石を用いた分離機構およびオンボードで実時間分離確認の実証実験を行う 

    2019年度は、分離機構実証機Actaeonを開発しました。

    ARLISS2018

    宇宙膜構造の展開と膜上大電流回路の動作実証を行う 

    2018年度は、宇宙膜構造実証機butterflyを開発しました。

    KMY

    ・butterfly概要 

    本機体の特徴は膜展開機構と膜上大電流回路です。弾性ブームにより展開する膜構造を有しており上空での展開実証を行いました。また、電磁力による宇宙膜の展開や姿勢制御を見据え、膜上の銅シートを流れる大電流による磁場変動を用いた膜形状推定をフルサクセスとし開発を行いました。加速度センサ・磁気センサ・ジャイロセンサ・SDカード・GPSレシーバ・通信機などが搭載されており、膜展開による機体の挙動の変化や飛行経路の記録を行いました。 基板や機体構造についてはメンバーで一から設計・製作するなど、衛星開発の基本を学ぶことができました。


    KMY

    ミッション概要図

    KMY
    butterfly機体

    ・ARLISS結果 

    ARLISSでは1日目に打ち上げを行いましたが、機体が強風によって通信可能範囲外に流されてしまい、大会期間中に機体の回収を行うことができませんでした。しかし幸運にも、後日現地関係者の方により機体が発見され、膜展開とデータ取得に成功していたことがわかりました。磁気データの解析によりブームが折れ曲がった状態で降下したことが推定され、搭載カメラの映像によりその様子も確認されたことから、磁気による膜形状推定を達成したと判断しました。


    帰還したbutterfly


    ・反省と来年度への展望 

    本年度はミッションである膜の展開と形状推定を達成することができました。また、前年度の反省を活かし、打ち上げ直前の確認手順に関して十分な検討を行った上で当日に臨むことができました。回収したデータから、目標としていた膜展開と大電流回路の動作も確認でき、研究やこれからの衛星開発につながる成果を得ることができたと考えています。今年度はARLISS当日に機体を回収することができず後日の回収となりましたが、来年以降は今回の反省を活かし落下地点の予測や回収マニュアルの作成に力を入れ、回収確率を高めていきたいと思います。来年度のCanSatプロジェクトにご期待ください。


    ARLISS2017

    磁気ドッキングシステムを実証する 

    2017年度は、研究室初号機として、磁気ドッキングシステム実証機Castorを開発しました。

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    ・Castor概要 

    本機は大型電磁石を搭載した親機と、小型永久磁石を搭載した子機で構成され、電磁石の電流を制御することにより、子機の分離・把持を行う磁気ドッキングシステムの実証をフルサクセスとして見据え、開発を行いました。 親機には電磁石のほか、加速度センサ・磁気センサ・ジャイロセンサ・SDカード・GPSレシーバ・通信機・サーボモータが搭載されており、一通りの衛星機能の作成訓練を兼ねています.また、子機底面には小型カメラが搭載されており、磁気ドッキングの達成状況を確認できるようになっています。

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    ・名前の由来 

    Castorはふたご座α星のカストルから名づけられました。これは磁気ドッキングを行う2機があたかも双子の様であること、カストルが6重連星系であり、本年度の開発メンバーの数(M1:3人、B4:2人、指導教員:1人)と一致していることに由来しています。また、特に親機をカストル、子機をポルックスと呼び、それぞれの機体色も恒星の色(銀星・金星)に合わせたものとなっています。

    ・ARLISS結果 

    ARLISSでは1日目と3日目にそれぞれ打ち上げを行いました。1回目はパラシュートの紐が親機と子機を繋ぐアームに絡まったことによる子機のスイング機能ロスト、2回目はSDカードの挿入エラーによるMOBC機能ロストを引き起こしてしまい、残念ながら磁気ドッキングの実証というフルサクセスを達成することはできませんでした。しかし、各センサによる情報取得、地上局との通信、子機カメラによる画像取得には成功し、ミドルサクセスを達成することができました。

    KMY

    ・反省と来年度への展望 

    本年度は研究室で初のCanSat開発ということもあり、何もかもが手探りの状態でした。メンバーも少ない中、本番でミドルサクセスを達成できたことは一つの成果として捉えてよいと考えています。しかし目的とした磁気ドッキングは達成できておらず、これは打ち上げ直前の確認手順・アノマリーに対する対策の検討が不十分であったことが原因と考えています。今回の経験を反省し、来年度のCanSat開発、将来のCubeSat開発に活かしていきたいと思います。


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