研究の概要
新しい航空機の提案を目指す
最近、注目されているドローンは情報の取得・移動のツールで、物・人の移動のツールであったこれまでの航空機とは、全く異なった存在です。今後も新しい飛行体が誕生し、私たちの生活が変わって行くことが予想されます。新しいコンセプトの、新しいコンフィギュレーションの飛行体の提案を目指します。そのために、自然界の飛翔も研究します。企業やJAXAと共同で、新しい飛行体の研究も進めています。
研究の詳細
マルチロータ機の騒音
準備中
空飛ぶクルマの実用化に向けた音圧環境解析
空飛ぶクルマの騒音低減
自動車に飛行能力を加えた空飛ぶクルマは、飛行能力の付加によって、都市内の渋滞、離島や中山間地域の移動等に活躍できる新たなモビリティとして期待されている一方で、実用化するためには既存の制度では対応しきれないハードルがあります。 本研究では、周辺環境への影響として騒音に着目し、ブレードから生じる空力騒音を複数の観測位置において評価した結果からVTOL式空飛ぶクルマの飛行ガイドライン構築に資する成果を得ることを目的としています。 また、複数ロータを想定し、各々のロータに対し異なる位相設定を与えることによる騒音の変化を検討し、最適位相設定の提案を目指します。
マルチロータ機の制御
クアッドロータ機の垂直オートローテーション
クアッドロータ機の安全性の向上
クアッドロータ機のロータ故障時の緊急着陸手法として垂直オートローテーションの適用を研究しています。 オートローテーションとは上空でロータの動力が停止した場合に、下降時に流入する空気のエネルギーを用いてロータを回す手法であり、ヘリコプタの緊急着陸法として用いられています。 本研究ではコレクティブピッチ制御が可能なクアッドロータ機を対象とし、複数ロータを有することを活す新しいオートローテーション手法を提案し、その有効性をシミュレーションによって推定しています。 また、実機を用いた試験によりシミュレーションの妥当性を検証しています。
機体高度 | 降下速度 |
機体の安定化解析
羽ばたきドローンの安定性解析
鳥や昆虫といった生物の高度な飛行性能を実現することは、手のひらサイズの小型ドローン開発における1つの目標となっています。 本研究では、生物の羽ばたき飛行を模擬して開発されている「羽ばたきドローン」に着目し、その飛行安定性を明らかにすることに取り組んでいます。 具体的には、物理学や航空工学を基に羽ばたきの翼運動を数式で表現し、その翼運動の変化がドローンの飛行安定性に与える効果や、どのような設計パラメータが安定性に大きく寄与するかを解析します。
研究論文・発表
木村,"羽ばたきドローンの安定性解析",日本航空宇宙学会,第50期年会講演会,東京,2018.
岡本,"空飛ぶクルマの実用化に向けた音圧環境解析",第57回飛行機シンポジウム,下関,2019
修士・学士論文
羽ばたき翼のフェザリング運動と固有安定性に関する解析,木村
ピッチ角制御型マルチロータ機のオートローテーションに関する研究,
修士論文
空飛ぶクルマの実用化に向けた音圧環境解析に関する研究,岡本
学士論文
空力特性と騒音特性を考慮したロータブレード開発に向けての基礎研究,舘野
周方向誘導速度を考慮した重ね合わせロータの性能評価数理モデルの構築と考察,渡邊